芋ヅル式
作曲はテトリスに似ています。
バラバラになったアイデアを頭の中で組み上げ、構成を練り、
筋の通ったものにしていくんです。
煮詰まってくると僕は実際にテトリスをやってみます。
バラバラに降ってくるブロック達の向きを変え位置を変え、そして奇麗に積み上げていく。
僕は思います。
「テトリスたのしいー うひょー!」
冗談はさておき、僕が学生時代に作曲で本当に煮詰まって
途方に暮れている時にアドバイスしてくれたお師匠さんとの会話が印象的でした。
お師匠さん 「良いアイデアってなんだと思う?」
僕 「誰もやったことないようなスンゴイことー!」
お師匠さん 「・・・それはね、アイデアを活かすアイデアのことなんだよ」
僕 「??」
お師匠さん 「ベートーベンの「運命」を例に挙げるよ。あの曲は「デデデデーン」って始まって次は
音型を保ったまま下がって「デデデデーン」その後も似たようなフレーズを使い倒してる。
このフレーズを思いついた時彼は「ラッキー!」って思ったに違いないよ。僕はこれを
「芋づる式」って呼んでる。」
僕 「い、芋?」
お師匠さん 「芋ってツルで繋がってるから1個収穫するとあとからホイホイついてくるでしょ?
作曲も同じさ。君が最初出したアイデアを活かすように、アイデアを出していけばいいの
さ。ヒントは目の前にあるはずなんだ。重要なのは韻を踏むこと。なにも無いとこから
アイデアを出すのは最初だけなんだよ。気が楽になるでしょ?」
僕 「あーなるほど!」
常に無から生みだしながら創ってくモンだと信じ込んでた僕には
天地がひっくり返るくらいの出来事でした。
そのくらい「芋づる式」に確かなものを感じたんでしょうね。
それからの僕はメキメキと力を付け、お師匠さんを唸らせる曲達を量産していく
わけねーじゃん
実際に「芋づる式」を会得、体感するのはもう少し先の話です。
こんな学生時代の経験を思い出しながら僕は思うんです。
みんなが力を合わせてアイデアを連鎖させれば!